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2014年6月 2日 (月)

イチョウの葉

 先日友人から、十湖らの書が大量に出てきたから見に来ないかと誘われた。
古い茶箱の中にぎっしり、まくり書や掛け軸が収められていた。
それらは書いたばかりのように墨の匂いこそないが、色褪せなく虫食いもない。
「きれいですね。よく現状を維持していましたね」
私が驚いて聞くと
「この中にはイチョウの葉が一杯散りばめられていて、やっと取り除いたところです」
友人は入っていたというイチョウの葉の束を見せてくれた。
書は明治時代のものであり、所有者が虫除け用に入れたものらしいという。
だが、入れられた当時は青葉だったのだろうか、それとも落ち葉の黄葉だったのか。
青葉であれば書に染みがつくはず?
帰宅後ネットで調べてみた。行政の歴史資料課のページにたどり着く。
このページでは、その理由を調べた結果が紹介されていた。
併せて参考に作家出久根達郎氏の著書「本のお口よごしですが」の引用が掲載されていた。
「本とイチョウの相関関係について深く研究しはじめた。程なくあっけなく氷解した。そうしないさいとすすめている書物を見つけたのである。書物保存法の通俗書で、虫よけにイチジク、イチョウの葉を用いよ、とある」
 ネットのページはさらに続けて「理論的に解明すべく府立大に照会したところ「イチョウの葉には防虫効果を有する成分シキミ酸があり、それが紙魚よけに役立っているかも知れないという情報ががあった」と記されていた。
 さて、イチョウの葉を入れることで本当に効果があったのか、茶箱の中の書は見事に虫食いはありません。防虫効果を思わせます。
かつて茶箱に保存していた所蔵者の方にとっては、先祖代々の代物を、大切に保管することが自らの使命として、イチョウの葉に託したのかもしれない。

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