十湖奇行逸話19 家は郵便局
翁は常に我家は郵便局であると、称するだけに日々の配達さるゝ郵便物は数十通と下らず郵便切手の買入高や小包等の発着数に就いては笠井局員が全取扱の三分の二を占めて居るといふ程で一旦三回必ず笠井局まで郵便を取りに門生執事を使ひせしめ之れが釆配を振る夫人佐乃の忙しさといったら、よくまあ夫人の身体が続くと思ふ立働きぶりで翁の我家は郵便局であるの言は正典正銘の話柄である。
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