十湖奇行逸話28 棟札で感激す
翁は夙に敬神崇組の念最も厚じ、往年土蔵の修繕を為さんとて点検するに棟札あり「神杜仏閣の木は一本も使用せず云々元録何年何月」と書しあるを見て感嘆之れを久うし曰く「之れある哉之ある哉我家の伝統宝々として誇るに足るは之れあるがためなり」とし爾来之れを信じ私事に用ゐず邸内の一隅に設けたる集霊亭は彿閲の廃材叉は供養木等を集めてつくり他の一木一片を交へず集霊亭の命名も亦故ある哉。
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