春雨の流れて行くや水の上
いったいこれは何を対象として詠んだ句なのか、俳誌「俳三昧」に掲載された句の一つだが、しばらく悩んでしまった。
大正14年の年にいたって、春雨を強調するような行事はない。十湖76歳のときだ。
これより1年前の彼岸過ぎには、春雨の降りそそぐなか句碑を建立している。
浜松市広沢町の西来院境内にある藤棚下に、自らの句碑を建立するため除幕式に出席している。
この寺は家康の正妻、築山御前の廟所が残ることで知られ、NHKの大河ドラマ「おんな城主井伊直虎」が放映されている中に登場する瀬名姫が後に家康の妻となり築山御前とよばれることになる。春には本堂前に藤が咲き誇る。
さてこのとき建立された十湖の句碑は
咲きながら伸びすすむなり藤の花
同日、十湖は境内にある築山御前の墓にもおとずれた。そのとき詠んだ句が
其のままの手向けの水や春の雨(大13)
春雨の句は、個人的にはどうしてもこの句と重なってしまう。
――春雨の流れていく先は手向けの水ではなかったろうかと
この日以来、十湖には春の句を俳誌「俳三昧」に掲載する機会はなかったので、翌年になった可能性がないでもない。私見であるが…
(築山御前の廟所)

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