高野山紀行(8) 第445回
吉野口を過ぎ、まもなく高野山への入口、高野口駅へ着く。
やっと、かねてより期待していた高野山にたどり着いたのだ。まさか七十七歳にしてくるとは十湖自身でもおかしかった。
いつでも来ることができたはずなのだが、過去を振返ってみるとなぜかその時間が見当たらなかったようだ。
今さら後悔したところでなんになろう。
高野山の空気に触れ、十湖は自らの人生にそろそろ幕引きの時が来たのかなと妙な心地になり大きなため息をついた。
高野山は、平安時代の頃より弘法大師空海が修行の場として開いた高野山真言宗である。
比叡山と並び日本仏教における聖地であり、現在は「壇上伽藍」と呼ばれる根本道場を中心とする宗教都市を形成している。
一行は高野山の境内を参詣して後、地元門人らの紹介で今晩の宿泊地である極楽橋方面へ向かった。
今では極楽橋駅があり、下車するとケーブル駅となっているが、十湖一行が訪ねた時代はその駅を作っている最中であった。
(当時の駅前旅館)
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