俳人十湖讃歌 第39回 管鮑の交わり(4)
廃藩置県によって駿州は静岡県となり、県政の第一頁はここに開かれたという。
当時は数千の幕臣が各地に散在して封建時代を偲び、なかには中央政府と県官の施政とを非難する傾向があった。
全国的ではあるも、静岡の地も御多分に漏れず中央政府もこの難局をいかに乗り切るか、静岡県令に相応しい人物の人選をしていたところ、大久保内務卿が勝安房の提言で薩摩の大迫貞清に決めてしまったらしい。
勝海舟は『氷川清話』で、大迫を次のようにいっている。
「維新後の静岡県は、旧幕のものが沢山移住して居たところだから、尋常の人では治め難い云々、大久保(利通)は不承知のようだったが、大迫が適任だと思っておれは推薦した。----大迫は、極めて大量寛宏の男で、干渉圧政がましいことはせず、公正至誠の考えを持って県治を施し、大様にやったから徳望は自然に帰した。」
果たして新任大迫は勝安房の推薦どおりの実績を残したのだ。
在任十年と云う長きにわたり静岡県政上に大きな貢献をし、のちに警視総監に栄進して静岡を去った。
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