« 俳人十湖讃歌 第175回 出雲の風(3) | トップページ | 俳人十湖讃歌 第177回 出雲の風(5) »

2024年6月 4日 (火)

俳人十湖讃歌 第176回 出雲の風(4)

 鳥取の俳人仲間から招待状が届いたのは五月だったが、出発の日は既に六月になっていた。
 当時の浜松日報はこの時の様子を次のように読者に伝えていた。
「十湖翁出杖 出雲の門人たちの招きで出雲路行脚行き、約一ヶ月の予定」
 明治四十五年六月一日浜松発午後二時十一分の急行に乗り込んだ。
 首尾良く旅立てることに気を良くし、鬱陶しい梅雨時でも心涼しい十湖であった。
 列車内では流れる景色を見ながら、珍しく短歌を口にしていた。

     神風の誘う出雲の初たびに心涼しく首途するかな

 いつもなら同行者が二人は居るはずだが、単身の旅は妙に心うき立ち、車窓から入る風に自慢の白ひげを靡かせていた十湖であった。
 同日、京都に着く。京都の句会へ招待してくれた半仙ほか俳人等数十人の出迎えを受ける。
 丹波の木公もわざわざ京都まで出迎えに来ていた。
 対する十湖はこの時六十四歳、俳人として絶頂期にあり自身満々の態度であった。
 翌日は京都嵐山に遊び、初なすびで酒も少しばかりいってしまった。
 三日目以降は京都千本五社下る米沢亭にて滞在し、京都の俳人ら五人の案内で去来翁の墓をたずね落柿舎、愛宕山へ行く。

Ab_pho01_l

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
にほんブログ村

 

 

 

| |

« 俳人十湖讃歌 第175回 出雲の風(3) | トップページ | 俳人十湖讃歌 第177回 出雲の風(5) »

19出雲の風」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 俳人十湖讃歌 第175回 出雲の風(3) | トップページ | 俳人十湖讃歌 第177回 出雲の風(5) »