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2024年6月 1日 (土)

俳人十湖讃歌 第175回 出雲の風(3)

 今の十湖の心境は動機が不純である。自問自答し自らの心を律した。
 坐禅をすること一時間を過ぎて座を崩したとき、出雲にいきたいとの切なる希望が句になっていく。

  万代や神の出雲の風薫る
  涼しさや見ぬ橋立の眼に浮かぶ

 この様子を俳人仲間が知ることとなり、自らの耳に届いたときには随分と噺に尾鰭がついていた。
 まもなく支援の輪が広がり、出雲までの行く先々となる現地から次々と句会への申し入れが届くこととなった。
 座禅のおかげで仏様まで味方につけてしまった。さすがに油の乗った頃の十湖である。
 やがて月末には金の都合がつき、念願の出雲地方へ出かけることが決定した。
 源長院と氏神様に参詣し、祖先様にも出発の報告した。
 十湖にとって、よほどこのことが嬉しかったのだろう。ここでも句を詠んでいた。

     夕立や断食の僧山を出る
     夕立や神ありてまた人ありて

 出雲行きの決意のほどがうかがわれる十湖であった。

Ihin

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