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3「硝子戸をあけてくださらない」つぎは弥三郎に頼んだ。彼は黙って、きしむ戸を労わりながら開けた。爽やかな風が病室内に流れ込んでくる。「僕が浜松へ来て直ぐにやった仕事は義父の伝記つくりだった。よく中善地の家へ行ったが多くの門人が出入りしていて賑やかだったな。義父は俳人としてはたいした器だよ」つぎは弥三郎の言い方が気に入らないのか、口を尖らして言い返した。「私は俳人としての義父より、村の人たちのために私財を投げて貢献していたことが立派だったと思うわ」 ふたりの会話が途切れた時、弥三郎はかつての十湖とのやり取りを思い出したのか、にやりと笑いながら十湖の回想を懐かしく語り始めた。(次回へつづく)
2025年5月28日 (水) 鷹野つぎ養女時代余話 | 固定リンク | 0 Tweet
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