書籍・雑誌

2014年2月 4日 (火)

十湖の高弟・大木随處のこと

 先日、図書館で随處に関する本を手に取った。
 大木随處は18歳で俳人松島十湖に入門し、後に十湖から「七十二峰庵」の号を譲られる。
十湖が死ぬまで一番弟子の高弟として尽した。
書名の表紙は「七十二峰庵 大木随處 写真で探る田園俳句蒐”十七音 心のタネ”」
「随處孫の会」が句などの作品を後世に残したいとの思いから新聞報道を通じて協力を呼びかけた。
その結果A4サイズ122ページにわたる随處の作品集が出来上がった。
内容は写真も多く、句、年表、俳画、本人使用の七つ道具の紹介と多岐にわたる。
 同書を垣間見るにつけ、俳画の中にふんだんに登場するだるま、ひょうたん、虎(寅)の絵はまるで漫画のよう。
ひょっとしたら明治時代の漫画の魁か?見る者を和ませてくれる。
 全頁を通じ、随所に随處の人なり、性格が見えてきて飽きさせない。
 
作品の中から引用一句

      為笑福君  
       うくひすに腹の立つ日は無かりけり

Zuisyo05
    

Zuisyo00

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2011年8月19日 (金)

金次郎

二宮金次郎といえば誰でも思い出すのが校庭の銅像の姿である。
教育の中でどのように教員から学ばされたかはさだかではない。ただ、金次郎は働きながらも本を読んでいた勤勉な男だということだけは記憶にある。

さて、このほど三戸岡道夫氏の本[二宮金次郎の一生」を手にする機会があった。
この本は全編報徳精神が貫かれ、二宮のところに持ち込まれた村の復興計画を実践して見事完成させていく。
これまでの時代小説とは違い、物語の進捗状況は復興の手順として読者に分かりやすく説明している結果となっている。併せて金次郎の人となりもよく見えてくる作品である。文中で「以徳報徳」ということばが出てくるが、人の生き様としてよい表現だと心に残っている。

彼に関する書籍はこれまで多数発行されているが、あまりに多く選ぶのに苦労するが、この本に限ってはまずもってお勧めしたい一品である。
報徳の方法を早くから利用し、地域のために役立てた歴史上の人物が我が地域浜松にもいる。
今芭蕉と呼ばれた明治の俳人松島十湖である。原作者三戸岡氏が同じ出身であるのも私たちにはこの本への親近感を抱かせ、二宮金次郎への興味は尽きない。Mitooka

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