名人の名言

2021年2月15日 (月)

タイトルバーナーのこと

 今月からのタイトルバーナーはかつて菊名人と呼ばれた中島為次氏による出品作品から引用しました。
 「花名 陽龍」石付け幹下がり筏吹き仕立て
 昭和34年の作品で日比谷菊花大会において文部大臣賞受賞したもので、金樺丁字、幹軟質で大きくなり、根張り強く、花首短く、盆栽型の最高の品種だと言われています。
 当時の作品は白黒写真であったため、氏は絵画にして作品を残していました。今般タイトルで引用したのは唯一のカラー写真であったわけです。参考に絵画も多く書かれていて色が着けられていました。
 中島為次のことは当ブログでも紹介しておますので参考にご覧ください。

R3taitoru

  中島為次氏の紹介ページ  カテゴリー 「名人の名言」

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2018年7月29日 (日)

止め肥の実施

 これまで肥料切れのないのように努めてきましたが、月末までに乾肥を施し最後とします。
 以後はハイポネックスの液肥だけを与えていく予定です。
 施肥をすると根が動き出し葉が大きくなり、芽も伸びて花は大きくなっても開花が遅れ花持ちが悪くなるというからです。
 名人のなかには止め肥後は9月の本摘芯まで一切施肥はしないで、水も控えて木がやせて硬くなり、花芽分化、着蕾が充実するよう管理するという方がいます。
 その管理とは、着蕾し始める9月中旬に肥料抜きと花色を鮮明にするためPK液肥を水代わりに掛けるというのです。
 大菊の場合は最後の施肥を「止め肥え」と呼び、8月25日前後に追肥をし、早咲き花は早くに、遅咲き花は遅くに止め肥えを行います。
 大菊は花芽分化が8月20日前後ですので、9月上旬には蕾が出てきます。
 このころに施肥をして窒素過多にすると、開花にすこぶる悪影響を起こすというわけです。
 いずれにしても適時に止め肥を実施することは、開花にとって重要なわけあり作業であることがわかりました。

(ハイポネックス:1000倍液にして使用)
Mono8838098414021202



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2018年3月19日 (月)

挿し芽を振り返って

  例年、春先は盆栽の苗づくりに忙しいのに、今年は挿し芽を早く済ませたことで一段と多忙の日々となりました。
 やり残しているものはないだろうかと、振り返ってみたら友人から借りた一冊の小冊子が役立ちました。
 これで自分の一連の作業結果が将来吉とでるのか、それとも凶だったのかが問われたのです。
略称「全菊連」の機関誌「日本の菊」2016年号に「私の盆栽菊づくりについて」の寄稿が載っていました。
 「挿し芽から鉢上げについて」  執筆者は長野県の寺澤五月氏。
「根つながり」の三幹で、この年の最高賞を受賞した方で、自らの体験を綴ったものでありました。
気になるところを抜粋すると
1親株の作り方
 2、3月に挿し芽をして親株とする。
 親株は9月、株の地ぎわでバッサリ切り土をかぶせ、うど芽、冬至芽の出を待つ。
2挿し芽
 ウド芽が出れば11月20日ごろからさし芽を始める。
 挿し穂は1.5cmで切り詰めメネデール100倍液に浸け、しばらくしたら、ルートンを切り口にのみつけて挿し床に挿す。
 無加温で管理。発根鉢上げは1ヶ月後と時間がかかる。

 偶然かも知れませんが以上のやり方は私とほぼ同じです。
 ただ、違うのはさし芽床にクンタンを2cm敷くこと、挿し芽後の床に透明マルチをかけること。
 最も驚いたのは氏の栽培場です。
 幅5.4m×長さ18mのパイプハウスとハウスの西側に1.2m×8m×15cmの育苗トンネル室を掘る。中にバーミュキュライトを敷き、トンネルにポリホール、ホットンカバー、ラブシートをかける、とあります。
 これでは自分とは雲泥の差があり、まずもって脱帽ですね。
 でも作業工程はほぼ同じとあって将来に自信が持てました。
 そのためにはその都度の作業を忠実に実践していくこと。
 参考までに氏が大会に出して最高賞をとった盆栽がこれです。

     (寺澤作品)
 Terasawasakuhin

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2018年2月22日 (木)

発酵作業を振り返って

 寒い時期ではありますが、コメヌカに発酵剤を混ぜ発酵コメヌカを作り、そのコメヌカを使って赤玉土の発酵をしてきました。
 これら一連の作業を「発酵作業」といい、菊の土づくりには有効なものであると思っています。
 この発酵作業は素材に酵素を繁殖させる作業であり、酵素の繁殖によって発酵熱が発生します。
 再び赤玉土の発酵を試みたら、2日目には52度の発酵熱温度となり、さらに明日まで待てず9時間後に温度を測ってみたら60度を示していました。
 2日目には切り返しをしたので酸素を取り込み、その効果があったのでしょう。
 発酵作業は「寒い時期にはするな」という方がいます。
 しかし室内であればできないことはないようです。
 しかも加温をしていれば効果は倍増?外気温が低い屋外作業では得られない結果となったと思います。
 かつて、名人はこれを称して「赤玉土のこうじ掛け」といったそうですが当時は理解されないようでした。
 今、こうした作業をふりかえってみると、当時の「赤玉土のこうじ掛け」そのものです。
 自信を持ってこれからも土づくりに発酵作業を加えて取り組んでいきたいと思います。

(作業初日)
赤玉土に発酵コメヌカを混ぜているところ
Akatutihako01

(発酵中)
白カビが繁殖、発酵作業は順調に
Akatutihako02

(発酵後)
 発酵熱が下がり加温をやめ乾燥中、できあがり
Akatutihako03



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2018年1月27日 (土)

名人の名言(6)  石付け短幹作り仕立て

「石に付ける作品は、すべて石の形を標準にして、将来作り上げる作品の姿態が調和がとれ、石の形にそって作品の方向を定める。」
 石付け仕立てについて、名人はこう解説します。
 下記の作品は、短幹仕立てで右作り、すなわち日光の直射を右から受けた形に仕上げたものだといいます。

Ishituke

 石付けに利用する石については「理想の石を探すことが困難であり、大きい物では、持ち運びに不便で事故が多い。そこで軽石を利用することを考え、軽石は理想の形に自ら彫刻することも出来る。自然美を表すために「青コケ」が容易に生え、芸術的作品に仕上げることが出来る。」
 軽石を利用することは今では当たり前のことですが、当時としては常に気に入った石を捜し歩いていたことでしょうか。
 実際、名人の作品を写真に探すと、こんな大物の石付けを見つけました。これが軽石でなかったならどんなに重かったことでしょう。Ishituke2


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2018年1月15日 (月)

名人の名言(5) 木付けつくり仕立て

  名人は木付けの解説の冒頭こういっています。
「木付けはあまり望まぬところである。すなわち「キク」は、日本特有の植物で、しかも国華である。この「キク」を木につけ、花を咲かせることは不自然であると同時に、鑑賞する人の眼をごまかし、殊に大きな木に幹も見せず、こんな大きな幹に花が咲いていると見せることが精神的に面白くない。ただし営利を目的とした見世物なればいざしらず、植物から生じた芸術作品として展覧会や展示会に展示する趣味の「キク」として愛培者にお勧めしたくない。ところが、全国いたるところの展覧会や展示会には盛んに展示されてあるから、参考に記述しておく次第である。」
 とはいえ仕立ての解説を論ずると八項目にわたって進めています。
 ①②③④⑤短幹作り ⑥⑦双幹作り ⑧二カ所作り
 短幹作りは右作りと左作りを区分して説明を加えており、共通するのは付ける木の形によって形作する姿態も様々となり、石に付けるよりは技術的に苦労が少ないといいます。
 同時に木に付けることは不自然だが、素人受けをするので面白い形のものがあれば余興のつもりで仕立てたとも云っています。
 下記の作品では、根元の立ち上がる幹を大きく、摘芯により一の枝を右斜め前に強く伸ばし、二の枝が木の頭にかぶり、三の枝は裏表を利用した形だと解説しています。
 ①から⑤までの解説はほぼ共通の内容ですが、木の頂点には必ず先へ伸びた幹があり「キク」は枝のみがその上をかぶり、根元は木の頂点より一段下から鉢まで伸びています。
 ⑥⑦は双幹であるだけで、仕立て方は前作と変わりありません。
 ⑧は同じ木に2本の苗を別々に仕立てたもので寄せ植えだと云った方が分かりやすいでしょう。
 名人は余興のつもりで仕立てたといいますので、木にあった形作をしたのでしょうが「キク盆栽の楽しみの神髄は、まさに、ここにあるのではと個人的には思うのです。

Kitukeme

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2018年1月 3日 (水)

名人の名言(4) 盆栽つくりの十二忌

 前回の名言の中で紹介した「盆栽つくりの十二忌」は、当著書の中ではどこにも見当たりません。
 著者の他の冊子を探してみると「菊作り必携」なるものに、簡潔に紹介していました。
 氏はいいます。
「盆栽仕立てには審美上から見て、誰もが嫌う姿態が大体十二と以上ある。培養者は絶えず作品を整姿する上に周到な注意を払わなければならない。これは植替え、摘芯、摘芽に注意すると同時に、枝を残す場合に特に注意を要する。」
 そして氏がいうその主なる形が下記のとおりなのです。
 現在、私たちが使っている教材の前身になるものがこの図であり、今ではこれに二点ほど増えています。

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2018年1月 1日 (月)

名人の名言(3) 普通盆栽作り仕立

 このブログでは普通盆栽の仕立てを「模様木仕立」として紹介しています。
 そのため、名人の「普通盆栽仕立て」は「模様木仕立て」のことだと解釈していただきたいと思います。
 名人は普通盆栽仕立てでも、下記のとおり6つの仕立て法を解説しており、ここでは代表的な短幹つくりを中心に紹介していこうと思っています。前回②を最初に掲載したので前後して申し訳ありませんが①を紹介します。
 普通盆栽の仕立ては大きく分けると
1短幹作り  2双幹作り  3三幹立て 4丸作り 5箒作り 6双幹箒作り
なんとなくイメージは伝わってきますが、上記の1短幹作りの図を見ると、確かに模様木ですね。

Moyokime1

「幹を大きく根張りを強く育て、一の枝は立ち上がり15cm程度の高さに第一回摘芯により作り、三の枝も第二回摘芯により作り、二の枝は一の枝と三の枝の中間部に裏枝をを作る。この作品は一の枝より三の枝に主力をつける。四,五の枝も盆栽十二忌を作らないように配置して、頭冠りは八月上旬頃、即ち予備摘芯時に仕立て上げることが大切である。」

 短幹には右作りと左作りがありますが、いずれも幼苗児の根張りを主にして整姿する必要があります。
  名人の解説にある「盆栽十二忌」の意については次回紹介します。

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2017年12月26日 (火)

名人の名言(2) 直幹作り仕立

 中島名人の著書「小菊盆栽百態」の中で、仕立あげる各種の百態を大きく12区分にして図に表し解説しています。
 今となっては、仕立て方法も変化してきて、当時とは少し違うかなと思われる節もないではありません。
 しかし古きを学び、新しきことを知るのは大切なことですので、現在の仕立て方とも比較しながら参考にしていきたいと思います。
 まず、最初に取り上げた仕立て方12区分を紹介してみます。
 ①普通盆栽作り ②直幹作り ③寄植作り ④筏吹き作り ⑤石付け作り ⑥木付け作り
⑦盆栽懸崖作り ⑧株立利用作り ⑨捻幹作り ⑩小盆栽作り ⑪切込み盆栽作り ⑫芸術作品作り
 大きく分けると以上のとおりです。
 今回はそのうちの②をひも解いてみます。

Cyokanmei

「挿し芽を小鉢に移植するとき根張りを調べ、幹を大きく、幹の根元と根張りを強く、一の枝、二の枝、五の枝に主力を作り、三の枝を右斜め裏に取り、四の枝を左斜め前に形作する。根元と根張りを大きく強く育てるには一の枝の下にある無駄枝は六月下旬まで切り落とさない。整枝に邪魔になる場合は、かりに銅線を掛けておく。最後の開花時に正面から根張りが見えるように仕立てることが大切である。」

  挿し芽は12月下旬から1月上旬に今年はやってみようと思いますが、名人の「解説」は自分たちがする定植時期のことを云っています。
 直幹仕立ての鉢上げ定植は、現状では4月上旬から下旬に実施を予定しています。
 一般的には主枝は主幹を摘芯しながら一の枝を作っていくのですが、名人のいうことはそのための心得と理解しておけばいいのでしょう。

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2017年12月24日 (日)

名人の名言(1)

 名人中島為次氏は仕事の傍ら趣味で小菊盆栽つくりをして、その道の最高峰に立った方です。
 著書の中で多くの名言を残してきていますが、前回紹介した「小菊盆栽百態」(昭和34年発行)でも冒頭に氏の盆栽道を熱く語っています。
 「小菊盆栽は本来草である菊を盆栽型に作って、盆樹のごとく十数年保護育成して古木に花を咲かせることも出来る日本特有の草花芸術である。」
 はしがきに書かれたこの文章は、一瞬面喰ってしまいました。
 だって、氏は古木をほんとに十数年育てて来たのかと疑ってしまいました。
 菊は一年草、多年草の植物のはず、そんなことはありません。
 いかにそのようにつくって見せるかが、その道なのではないか。
「仕立てるべき品種が小菊盆栽に適する苗でなくてはならぬことはもちろん絶対的の必要条件であるが、盆栽仕立ての一番難事であることは、作り上げるべき姿態を脳底に描き,挿苗時から成長する苗を盆栽道に従って育成させることである。」
 とさらに氏はつづけます。
 氏はこの盆栽つくりを「盆栽道」だというのです。
 次回は「盆栽道」について、この冊子の中から考えてみます。
 氏は絵も得意のようです。当時の品種を絵にしていました。カラー写真はない時代でしたからこの方法しかないでしょうね。

(著者の花画)
Hanae

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