菊の生育四季と対策

2022年7月21日 (木)

大雨の影響は徒長の苗を生む

 よくもこの時期に大雨とは、予想だにしませんでした。
 キクは屋外で育てているので、天候がもろに影響します。
 この時期は例年なら10日ごとに行う消毒の頃、しかし、この雨ではできません。
 その結果アブラムシが葉の裏に発生し、鉢の底にはナメクジです。
 先日は夜半には突風が吹いたようで、大菊の生長盛りの苗は支柱を立ててなかったものがすべて倒れる始末。
 それ以外は徒長の傾向にあり、あまり見た目が美しくにはなりません。
 晴れ上がった今日、それぞれの生長具合を確かめて復旧します。
 小菊盆栽に限っては、雨風の影響が少なくほっと胸を撫で下ろしたところですが、施肥は今月で終了予定ですので、各鉢の様子に見合った作業をするのみです。
     (植え替え後の鉢苗)

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2021年1月 2日 (土)

菊の生育四季と対策

冬編(12月上旬から2月)
 
 この時期は開花までの丹精の日々を振り返り、来年のプランを構想し、そのための準備の期間でありスタートでもあります。
 菊と向き合い、秋に美しい花を仕立てて鑑賞できるように、年間作業の基礎になる生育サイクルを考えてみたいと思います。
 基本的な筋立ては「菊づくりコツのコツ」著者上村遥氏の考え方を参考にしながら、冬越しが始まり春の目覚めまでを「冬編」として整理してみました。

Toujime
(冬至芽)

 咲いた株は茎葉が枯れ、やがて冬至芽が土の中から出てきます。これが新芽です。
 小菊の場合、土の中だけでなく、枯れた茎を残した元木から芽を出すものや、根元辺りにびっしりと新しい芽が出てくるものもあります。
 でも低温の季節ですから茎が伸びない代わりに、日があったことで光合成が作った炭水化物を冬至芽や根に貯め込み、じっくりと冬越しして春の成長期に備えるのです。
 それなら戸外へ出しておけばいいのか。これでは寒風に晒されて枯れてしまいます。
 暖かくして育てれば茎幹も伸びると思うのですが、これだと春の目覚めがわるく逆に伸びにくくなってしまいます。
 そこで冬越しをどう乗り切るか。
➀加温したりハウスに入れたりして育てる場合は、一度は寒さにあてる事。
②戸外で育てる場合は日のよく当たる場所に霜よけをする程度で育てること。
 いずれかの方法で日に当て、水や肥料を適度に与えれば実現できるのではと思うのです。
 これは菊全般にかかわることで小菊盆栽作りにも共通の対策です。

 

(春編)2月末から梅雨時7月
 冬の間にたっぷり寒さに当たり、暖かい春を迎えると草丈のつまった冬至芽は成長期に入り茎や葉が生長し始めます。この頃に菊の種類により様々な作業に取りかかります。
 大菊だと摘芯作業をしてさし芽用の苗を増やしたり、小菊盆栽だとそのまま冬至芽を育てたり、さし芽をして苗を作ります。
 なぜこの時期にさし芽をするのかといえば、
➀冬至芽苗のままでは秋まで根の活力がもたないこと
②ウイルス病などの病原菌を持っていることが多いからです。成長に伴い下葉が枯れたり、他の菊に病気が感染してしまったりすることがあります。
こうして育てた苗は鉢上げから定植するまでの作業を通じて根を充実させ、葉を旺盛に豊かにします。

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(夏編)8月から10月
 茎も葉も旺盛に育つ季節です。同時に病害虫が活発に活動する時期でもあります。
 しかも高温で植物活性が低下して花芽が分化できる時期に入ります。
 日が短くなるにつれ生長点に蕾が付き、大きくなりながら花色が見えてきます。
 菊は一日の日の長さが13時間以下になると蕾が付き始め小菊も同様です。
 この時期は作業も忙しく水はたっぷりやり、病害虫の防除は10日と云わず1週間に1度はします。小菊の場合は大菊と違って案外強いようです。
 ただ、最近は日差しが強いようで、この時期には防暑対策として日よけが必要になってきます。
 それに台風対策のため暴風ネットや室内に入れるなども考えなければなりません。
 いずれにしても四季の天候対策が必要です。

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(秋編)10月下旬から12月初旬
 まさに成熟期と云ってもいいでしょう。菊づくりの丹精が実るときです。
 蕾が破れ花弁に花色が見える頃になると、その後は満開になり、やがて地上部が枯れていきます。
 この時期には来年用の冬至芽が発生し、花芽が分化していないので花は早めに切り取り、施肥と農薬散布を忘れることなく実施して大切に育てます。

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