坂口屋のキヨさん
愛知県の名刹鳳来寺山新春参詣は,今年で25年以上になる。今年は暖冬のせいか参詣者が多く,ひっそりした杉木立の登山道もにぎやかだった。それに引きかえ街道の土産店は年々寂れ,唯一五平餅の店だけは細々開いていたのだが,とうとう登山口近くの店舗もやめてしまった。そんな中で,駐車場そばの坂口屋だけは客こそ入らないでも健在であった。今年も例年通り五平餅の味噌だれを買いに入った。奥から出てきたのは久しぶりに見たなじみのキヨさんの顔である。昨年の正月は不在であったので理由を訊ねたところ,入院していたとのこと。話が進むうち金山寺味噌も作っていたが今は売り切れてないので試供品として自宅の食べ分を少し分けてくれた。思いもかけないことでありがたかった。さらに何よりもうれしかったのは後継者がなくて今後どうなるのか他人ながらにいつも心配していたことが,聞けは娘さんと婿殿がキヨさんの作ったものを地元で販売しているという。おかげで,忙しいともっぱら明るく話してくれた。山へ来る度に気にかかっていたことが,晴れてほっとしたとともに,ちょっとした気遣いから土産までいただくことになり
うれしい正月参詣になった。これからも坂口屋のキヨさん,ますます健在にね。
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