初秋の蕎麦粒山
静岡県西部の奥座敷、川根本町から赤石林道を往く。
林道のとどのつまりは山犬の段になる。
山小屋と駐車場があり、ハイカーにとって休むには格好の場所だ。
今回はそこまで行かず、手前の大札山登山口へ駐車し、蕎麦粒山に向かって林道に沿った西稜線上を行く。
静かな山歩きが楽しめるはずだ。
登山口まで林道を歩くこと20分程度で登山口に着く。
しばらくは急なのぼりを喘ぎつつ登る。
やがて尾根の最南端に到着し、後は上り下りの稜線歩きに変わる。
稜線のプロムナードは左右に南アルプス最南端の山、そして富士山の秀峰
そういえば、登山口の入口近くには渦巻く木枯らし、今日の天候を物語る。
途中、登山者への注意看板と黄色い「立ち入り禁止」のテープを目の当たりにするが新聞報道されていた滑落現場なのかと少々不安に。
真上の空は、雲が去り明るさが増す。
ところどころに散在し凛と屹立する白銀色の枯木に圧倒される。
ほぼ平均タイムは90分となっていたが、林道からの徒歩を含め2時間程度の山歩きは心地よい。
山頂からの眺めは富士を真正面に据え満足感に浸る。
下りは同じ道を戻るが、時間にしてわずか1時間程度で林道へ出る。
林道を行くのも決してむだではない。
日本カモシカが林道のガード越しに凝視しているとき、サルがアケビを食らっているときなど自然の姿を垣間見ることがある。
今回はちょっと違って、サルの邪魔をしたのかと反省然りである。
なぜって、林道にアケビの実が2つ残っていた。つい衝動で採ってみようとしたところ、つるを引き下げたら、ぽたぽたと実が落ちる。
蔓を引く本人がつるが戻るのを待って拾おうとしたところ、すでに実は反対側の斜面のサルに持ち去られてしまった。
なんとも不覚である。
しかし、自然界のルールを無視しようとした行為がサルに責められた格好になってしまった。
初秋の赤石林道は蕎麦粒山を望みつつ、自然がしっかり頑張っているなと感じた1日であった。
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