ソバ畑の情景
夕闇迫る頃のソバ畑は、白い花が夕闇に映え一段と美しさが冴える。
この情景を他の人に伝えるのに、なかなか良い表現が思い浮かばない。
写真でも良いが空気間が伝わらない。
案外漢詩の中にはないだろうかと探してみると、いくつかそれらしい詩があった。
なかでも白居易の「村夜」はぴったりの感じがする。
確かに詩の表現は寂しい内容ではあるが、秋野を通り抜ける少し冷え冷えした風の中に、草々が揺れる様とともに、夜陰の中に白く冴えるソバの花が見事に描かれている。
詩は作者の周辺の人間が亡くなったことから、その寂寥感を表現した詩だという者もあるが、この寂寥感こそソバの情景を引き出すのに一役買っているのではと思う。
ソバ畑を表現したい人にお勧めしたい漢詩である。
早速、自分の撮った写真に取り込んでみたが、いかがだろうか。
村夜
詠み方
霜葉蒼蒼虫切切 霜葉は蒼蒼として虫切々
村南村北行人絶 村南村北 行人 絶ゆ
独出門前望野田 独り門前に出でて、野田を望めば
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