初紅葉
まだ里には紅葉が早いようだ。
遠州の小京都といわれる森町の小国神社は地元でも紅葉の名勝と知られ、季節になれば多くの参拝者が訪れ賑わう。
11月の最初の週末は、まだその季節にはほど遠く境内を散策するにとどまった。それでも菊の展示が境内を彩っていた。
七五三の参拝者でも来ないかなと待ちかねていたが、残念ながらめぐり会えなかった。
そのうち保育園の一団が散歩に来る。川沿いのやっと紅葉したもみじの下で記念撮影。 その様子を見ていると保母さんの撮影手段に感服した。
なんと手際のいいことか。撮影者は子どもたちの好奇心を一心に集め、シャッターを切る。
よく見れば子供の表情も一瞬のカメラ目線で一致してさすがである。
それにひきかえ、長年カメラを持っている自分の方がお粗末だったことに気付く。
これより数分前、中年の女性三人から記念撮影を頼まれた。
「どこで撮りましょうか」
「菊の展示の前でお願い」
云われるままに、自分の判断でシャッターを切る。
撮り終わってその三人が写真の評価・・・小さな声で言っていた。どうもあまり気に入らなかったらしい。
自分では十分に配慮して撮ったつもりだったのだが。
背景よりも自分たちの顔が大きく写っている方がいいらしい。
もっと彼らの意見を聞いて撮れば良かったかな。
いや、頼まれた以上撮る側の自由だと、自らを納得させてみたものの後味が悪い。
それに引き替え保育園児の撮影風景は、なんとも明るく颯爽としたものだったと感心した。
帰り際、保母さんのシャッタ―を押すときの表情、軽妙な声が、いつまでも自分の頭の中を反芻していた。
恥じらひと言はむ薄日の初紅葉 林 翔
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