春寒の岩古谷山
岩古谷山は愛知県北設楽郡設楽町に属し、標高799メートルの険しい山容をなしている。
山中は東海自然歩道が貫き、地域では三大難所の一つと呼ばれている。
3月5日、登山口を目指す。
登山道は2通りあり、堤石峠を経由するコースと国道473号線堤石トンネルから直登するコースである。
いずれも険しい道で傾斜が大きく、登山道には梯子の設置や鎖が張られている。
今回は堤石峠のコースを往復した。
下界の風は穏やかで気温もさほど身に染みるほどではなかったが、峠についたときは猛烈な風と気温の低下で体が震えるほど冷える。
頂上付近からの眺望は、まず北方に遠く南アルプスの絶景を望むことができ、東には愛知の名峰平山明神山が周囲の山を圧倒して屹立していた。しかも眼下には和一の田園風景が広がり、さらに南に眼をやれば鞍掛山から宇連山へと続く山並みが「来いよ」と手招きでもしているかのように誘っていた。
かつてここに山城があったという。
三河岩古谷城は別称白狐城または田代村古城という。時代は遡り1435年に菅沼三郎左衛門が築いたとされる。
この急峻な山容では、防衛は可能でも生活は大変だったろうと当時に思いを馳せた。
山頂直下は風花でも舞いそうな天候ではあったが、山河より吹く風が「春はそこまで来ている」と気配を教えてくれたような気がした。
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