少年剣士
例年 5月の連休は豊川市にある砥賀神社の例大祭を撮りに行く。
ここの例大祭は3日から5日まで神社境内で行われる流鏑馬や植木市などの催しで賑わう。 最高潮は3日、4日の流鏑馬神事。200m余りのコースを人馬一体となって
疾走する。
今年は思い切って5日の少年少女剣道大会に注目した。
午後になり神社の境内は少年少女の剣士でごったかえしていた。
大会会場だけは、気合の声と竹刀のあたる音に観客のどよめきが加わって、緊張感がみなぎっている。
かつて自分にも剣道をしてみたいと思った少年時代があった。
もし、その時後押しする人がいればこうした場に剣士として立っていたに違いないと空想が過ぎる。現実はそれはなかった。
漫画の赤胴鈴之助がヒーローとして心にのみ存在していた。
大会の模様をスナップ撮影で挑むと面で剣士の顔が見えない。
だが眼光だけは鋭く対戦相手と対峙していた。
剣士の動きは速い。シャッターを押す指が鈍く、的確な構図を決められない。
不運にも、いい場面は観客の背に阻まれていた。初挑戦のスナップは不燃焼だ。
心持救われたのは新緑の下での剣士たちの姿だった。
剣士は礼儀正しく、しかも勝敗に関係なく笑顔がこぼれている。
私はシャターを押すのを忘れ、しばし大会を見とれていた。
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