夏の蝶
蝶は春の代表的な昆虫である。俳句の季語でも春となっている。
だが夏でも蝶は舞っており、揚羽蝶などはあちらこちらで猛暑を楽しんでいるようだ。
子どもたちが虫捕り網を両手で持ち、草原を駆け回っている光景は昔も今も変わらない。
これほど蝶が多いのにやはり季語は春なのか?気になり歳時記を開いてみると、黒揚羽蝶、黄揚羽蝶などは総称して「夏の蝶」として夏の季語となっている。
最近は夏でも雨が多い。傘を差して歩いていると目は下ばかり向いている。
先日濡れた舗装路に黄アゲハがじっとしているのを見つけた。雨で羽を濡らして飛べなくなったものか、それともすでに息が絶えてしまっているのか。
夏セミはあちらこちらの道路に腹を上にして死んでいる。夏の終わりを告げている。ならばこの黄揚羽蝶も同様の死に様かと妙に納得した。
だがどうしても見てしまうのだ。
濡れた舗装路を背にこちらを凝視している姿を…あまりに美しい。
コンクリートに埋没していく夏蝶の最後のあがきを、聞き取ってやらねばならぬのか。
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