八重桜
あれほど賑わった花見も今では散りはて、葉桜と変わった。
水辺にこぼれ落ちた花びらの筏も既に消え去っている。
そんな花風情に新たな花が満開である。
八重桜だ。
ソメイヨシノより1周間ほど遅れて咲き始めるので今が見頃となっている。
かねてより開花を待ち望んでいたので、久しぶりの花見散歩は楽しみである。
遠くからでも淡い赤色に染めた丘が見える。
だが、近づくにしたがいその様相が変わった。花首だけが地面を覆っているのだ。
思わず
……無残やな兜のしたのきりぎりす
なんて言葉が出たほどのショック
花首だけ切り取ったのはヒヨドリの仕業、花の蜜だけを吸い、あとは無用と投げ捨てる。
その残滓が丘一面に広がり、花畑さながらである。
ベンチに腰下ろし楽しんでいる一行の姿もあった。
それでも花を愛でるには、この光景もありかと納得。
今年の花見はこれが見納めであった。
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