つかの間の住人(キジバト)
例年、我が家の庭ではヒヨドリとキジバトが居場所を求めて喧嘩している様子が見受けられる。
その結果、昨年は庭のヤマボウシの枝に巣を作ったのはヒヨドリであった。
住人が決まると破れた側は以後トンと顔を見せない。
だがチョッカイ出す奴が時折やってくる。カラスである。しかし人の姿を見るとさっさと遠ざかっていく。
さて今年はというとキジバトに軍配が上がった。
8月の始めには卵を抱く親の姿があった。よくもまあ一日中巣の中でじっとしていると感心して家族に話したら
「そんなことはない。親だって餌を食べなければ死んでしまう。きっと餌を食べに行く事があるだろう」
と自分の意見は一蹴されてしまった。
早朝から巣を観察していると親が卵を温めている。いつもの光景である。でもよく見ると向きが替わっているのに気付いた。親が雄雌交代で巣に入っている。
ある日今日も変わりがないかと下から巣を眺めてみると、親がいない。
――「ははあん。親が餌を取りに行っているのだな」
と合点した。
それなら今に親が戻って来るはずだとしばらく眺めていたが、結局来ずじまい。
親が事故にでも巻き込まれたか、それとも天敵に摑まったのか。
巣の様子はどうなっているのかなどと思いながら親のいないことを幸いに巣の中を覗いてみた。卵が2つしっかり残っている。
これならいずれ親は戻って来るだろうと思った。
しかしこれ以降なんの音沙汰もなく巣には卵が残ったままの状態が続いた。
ひっとしたら自分が巣を覗いたことでキジバトの気に障ったのか。
少し反省もしてみたが、空き巣は変わらずヤマボウシの枝に巣を作った住人はもう帰ってこなかった。
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