木喰上人の魅力その2
木喰は江戸時代中期享保3年(1718年)山梨県下部町古岡丸畑に伊藤家の二男として生まれた。
享保時代といえば八代将軍吉宗の頃で時代劇江戸町奉行の大岡忠相でもお馴染みである。
生まれてから50年の木喰の足跡は今でも明らかではない。
22歳の時に出家し45歳の時木喰戒を受け、日本を回るという願をたてて56歳辺りから全国行脚に出たらしい。
その間に浜松方面にも立ち寄り、今に残る仏像を彫っていたということである。
木喰上人が掘谷の地へ来たのは寛政12年(1800)83歳の時だ。
文化7年(1810年)93歳で没した。
当時としてはなんと長命であったことか。
その秘訣とは?ここにも木喰上人の魅力がある。
写真は徳泉寺保存の十王坐像である。
閻魔大王と同様怖い表情の中に笑みを含んでいる。
この微妙な表情の変化は、喜び、怒り、悲しみなどの豊かな感情を示しているらしい。
しかし、観賞する人の気持ちによっても表情は変化する、というより見え方が違うのだろう。
木喰が長生きであったことから、多くの人と出会うことで人の喜怒哀楽を知り、彫りながら十王の表情が変化することを表現したのではないだろうか。
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