白い風
河川を上流から下流に向かって眺めたとき、右側を右岸、左側を左岸と呼ぶ。
つまり 川は下る方向に向いて左が左岸だ。
天竜川のかささぎ大橋を渡れば河川敷に下り、自転車道をひたすら河口を目指し左岸をいく。
昨夜来の雨は自転車道にも大きな水溜りをもたらした。
走りつつ濡れないようにペタルを止めては足をあげ、子供のような悲鳴をあげる。
風に色があるなら、この日は白い風。
雨上がりの爽やかさの中に、冷たい風が吹き抜けていく。
きょうは背中を後押ししてくれている。
突如、現れた新幹線が河川敷の虫時雨を切り裂いて走り去る。
トンビがそれを見下ろしているが、餌にありつけるものは何もない。
待てよ、こっちはラジコン機が自在に空を泳いでいる。
上ばかりに気を取られていると、脇から一羽のキジが飛び出した。
おしい、シャッタチャンスを逃す。
自転車道は挨拶も欠かせない。
抜かれる時には声を掛けられ、向かいから来る自転車からは挨拶される。
思わずこちらも笑顔になる。
やっと4本目の橋をくぐと、河口の遠州灘。
白い風が、ゆるく重そうに風車に靡いて消えてしまった。
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