御徒町から湯島天神へ
孫が生まれたというので顔を見に上京する。
せっかくなので、かねてから機会があれば寄ってみたいと思っていた湯島天神を目指す。
JR御徒町駅を出れば目的地までは真っ直ぐである。
しだいに下町風な雰囲気の住宅地にさしかかる。
とはいえ空をのぞめばマンションが聳えたっている。
湯島天神は春の梅のころに賑わうが、あまりこの時期は知れられていない。
だが、菊花が咲くころは商店街を挙げて天神様の菊花祭りを応援しているようだ。
街灯に係る宣伝旗が物語っている。
町の風情は泉鏡花の「婦系図」の舞台となったことで、その時代を醸し出しているらしい。
早朝だったせいか境内は神社関係者だけが忙しく動いている。
この日は七五三の月でもあり、日中のにぎやかさを彷彿とさせる。
だが、空模様が気にかかる。
さすが江戸の菊花展である。
一点のスキがない。
花の種類も一流である。
広い境内が花で狭く感じられる。
彩りよく飾られた花の道を参拝客だけでなく通勤客が足早に抜けていく。
つかのまの余裕だろうか。
自分もいつの間にか本来の上京の目的を忘れていた。
降り出した雨の中を、孫の顔を見に走り出した。
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