おひなさま事情
桃の節句も滞りなく過ぎ去った。
わが家の節句は妻がひな人形を取り出して、女の子の健やかな成長や幸せを願う日としてつづけてきた。
毎年この繰り返しで、やがて娘たちは嫁ぎ孫たちが生まれた。
かつて我が家には段飾りのお雛様があったが、自宅改築のため倉庫へ保存しておいたところ
白蟻に無残にも食いつくされて消滅し、今残っているのは親戚中からお祝いにいただいた数々の人形たちだ。
今年も孫の来ない年寄りだけのひな祭り。
子どもたちが嫁いで行った分寂しくなったが、節句の行事は人形たちで家の中が華やぐのである。
妻が箱から取り出すのは2月の日曜日。
それがしだいに遅くなって、最近は節句前日になり翌日には箱に戻されている。
「季節の節目、変わり目に災難や厄から身を守るため身代わりになっているのに、もう少し出しておいてくれてもいいのにね」
何やら人形たちの呟きが聞こえてきそうだ。
娘たちからは孫の写真も送られてくる。
しばらくの間は孫たちのおひな様の写真が我が家の春を愛でているようだ。
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