亀鳴く
先週は町が爽やかな新緑で輝いているのに、未だ室内で微熱の続く日々だった。
口に入れるもの皆不味く、その原因は分からずじまい。
医者がいうのには風邪を引いた後に悪性のウイルスにでも感染したのではというし、合併症ではないかとも。
それでも 1週間後には、投薬の効果なのか、熱が下がり始める。
同時に食欲も、外の空気を吸いたいとの欲求が湧いてきた。
人間は現金な生き物だ。
ある日思い切って、戸外へ出る。
公園の池に花筏が流れている。
その向こうには亀の甲羅干しの真っ最中。
「亀鳴く」という俳句の季語を聞いたことがある。
本当に鳴くのだろうか。
亀にも都合があるから、まあ、黙って通り過ぎて行こう。
それでも気になって、ふと振り返ると三匹の亀が皆一様に口を開け、こちらを睨んで、あたかも何かを口走っているように見えた。
「あー」ではなく、「こーだ」とでも言葉を発しているのか、
やはり、亀は鳴くのだと思った瞬間だった。
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