冬日向
この日、寺の境内で年の瀬の雰囲気を楽しんでいる。
ヒヨドリの甲高い鳴き声が周囲の森に響き渡る以外、物音が聞こえない。
ただ、なにやら動物の気配だけは伝わってくる。
猫一匹足音を消して背後から向かって来るが、そこに自分がいることを無視して通り過ぎようとしている。
なんと横柄な奴なんだ、それもいいだろう。
自分が来客だからといって別段歓迎をされることに期待はしていない。
今いる場所はどうも猫の縄張りの範疇にあるのか。
冬は日照時間が短く、すぐに暮れてしまうが、この場所こそ冬の日を浴び穏やかに休めるところでもある。
この猫にとっても、自分にとっても昼間の日差しをいっぱいに浴びたいという思いがこもるのだ。
猫君はとうとう我慢も限界に達したのか、こちらを睨みつつ近寄ってくる。
まてよ、少しこちらにも気があるのかな。
眼差しが優しくなったように思えるのだが、冬日向の所為だったかもしれない。
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