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2019.02.09

初かわず

 立春の声を聞いたら、つい鍬を持ってしまった。
 例年なら、畑を耕し始めるからだ。
 しかし、この日は本気でするつもりではない。
 腰の痛みに耐えかねて、軽く鍬でも振ってみようと
逆療法を試みるからだ。
 案外いけるなと気を良くして、掘ったところをみたら
土の中から一匹のかわずが現れた。
 座ったままの状態で、体はふにゃとして気味悪く、びく
りともしない。
 まるで全体が透明なシールドに覆われているようで、眼は
あいているようでも開いていない。  それにしては、よくぞ鍬のえじきにならなかったものだ。  隣の畑では耕運機が唸り声をあげている。  これに巻き込まれれば「かわずバラバラ事件」となるところだが、
機械音からして目が覚めるから心配はなかろう。
 さてさて眼前のかわずをどう処分するか。
 今月の畑作業でじゃがいも種をまかねばならぬ。
 かわずの態度は、まるでそれを阻止する座り込みとも思えてくる。
 「立ち退き反対!」とでも抗議しているのか。
 初かわずは一時期、交尾産卵するため地上に出てくるが、用が済めば
再び土の中にもぐって3月中まで冬眠するらしい。
 しかし目の前のかわずは目を覚ますどころか、何もせず深い眠りに
入ったままであった。
 しかたなく、そっと土を被せ元のままにしておいた。
Nemurukaeru


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