老いてはカメラにしたがえ
老いては子に従えとか、かわいい子には旅をさせよなんて昔から言われている。
そろそろ自分も老いの境地へと入っていくのかと思うと情けないが、孫たち(子)の扱いには少しばかり同情するところもある。
近ごろ、好んで見るわけでもないが、かつて見たテレビ番組が再放送されることが多くなっている。
「この番組は絶対見ているはずだから再放送なら見る必要はない。」
と思ってタイトルをみると、やはり記憶にない作品だと納得し見ることがある。
ところが番組が結末まで達したとき「ああ思い出した。これは前に見たぞ」ということがよくあり、見る必要がなかったのだ。
最近、この傾向が読書にも現れてきた。
図書館で好きな作家のエッセイを借りて来るのだが、ブックカバーのイラストを見る限り初めて手にする本だと確認する。
だが、掲載されたグラビアを見て、俄かに記憶が戻るのである。
「ああ、これは一度読んだことがあった」
無駄な時間を過ごしてしまったと後悔し反省しきりとなる。
記憶喪失というのにはかなり大げさだが、認知症とも違うし、単なる物忘れでしかないはずだ。
気が付くうちはまだ健康で、健全な精神を持ち合わしていると自分に言い聞かせている。
やっぱり老いては子ではなくカメラにしたがい、好きな写真を撮っていることが一番性に合っているようである。
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