明治の写真師 江木写真店
古い写真が手に入った。
小さな箱に現在のL版にも満たないプリント写真が3枚入っている。
箱は大分傷んでおり、箱の裏には撮影日なのか明治37年11月25日と記されていた。
写真は箱の図柄から当時の東京神田淡路町に開設された江木写真館で撮られたものだと判明した。
写真店は6層の塔を持つ洋風の建物で、当時としてはハイカラなもので、いかに写真が高価なものであったかを偲ばせる。
しかも、今と違ってこの写真から撮影者もわかるというのだから、当時はいかに写真術というものが大切だったかがわかるというもの。
ちなみに江木写真店は明治13年江木保夫、松四郎兄弟によって開設されたが、保夫はオランダへ、松四郎はアメリカに渡り写真術などを学び帰国したという。
二人は明治30年代に亡くなり、店は松四郎の妻が経営することになるのだが息子の善一が後を継いだ。
この写真からここまで歴史がわかり、たかが写真と思っていたが、写真普及の初期のころは貴重なものだったことがわかり、「月並み写真堂」などと云っている自分が憚らればかりである。
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