風花舞うか犬山城
それまで晴れ間を見せていた車窓風景が犬山駅付近に近づくにつれ、どんよりとした雨後の世界にとって代わった。
伝えられる天気予報のように雪になるのかと思っていたら、時折雪が舞う程度で風花のようだ。
こういう時の風はやけに冷たく、首をすくねて体温を逃がさないように背を丸くしてしまう。
舞い降りる雪はすぐにも地上で雨となり溶けだしてしまうほど。
写真を撮るにはまことに厄介な代物である。
だがこの雪景色をわざわざ撮りに来たのだから文句も言えない。
駅を降り立って15分程度で城下町に着く。
眼下に町を望む犬山城は目と鼻の先にあり、至極寒そうな姿で町の中央に聳えている。
城内敷地に踏み入れると遅咲きの紅葉が散り染めて、城を囲むようにもみじの絨毯が敷き詰めていた。
やがて風花は時雨となって、古き良き城下町にしっとりと真冬の到来を告げていた。
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