静寂の木陰

　なじみの床屋への帰り、思い立って近くの公園へ立ち寄ってみた。
　ひさしぶりに足を踏み入れてみたが、今では随分と整備され困惑した。
　しかし樹木の配置は変わらず、木陰の作る涼スポットは変わっていない。
　池にはカワセミを狙うカメラマンが数人、じっと待ちの構えである。
　公園内は静寂が漂っているが、ふと頭を上げたとき遠くで目が合ったような気がした。
　サギが知らないふりをして横を向いて動かない。
　それならばと記念に一枚撮らせていただいた。
　人の気配を感じたのか、サギはそのまま立ち去ってしまった。