カテゴリー「読書」の記事

2019.02.02

秋葉街道・天竜川 ひとり歩きの旅(読後感)

 

 

 身近な地域が書かれているのは嬉しいもので、興味深く読むことができたお勧めの一冊である。
 本書は天竜川の上流に住む作者が定年後、体力への挑戦を兼ね9日間という日程で天竜川の上流から秋葉山をめぐり、天竜川の河口を目指した日記風の紀行文である。
 歩いた距離は180㎞に及ぶひとり歩きの旅で、1日の終わりにその日の歩数が記されているのが健康のバロメーターなのか。
 浜松人としては珍しいコースではないが、著者のゆく先々での珍道中は身近な地域紹介冊子としても楽しめる。
 文章に添えられた写真は見慣れた風景でも、著者が一人行く姿を思うと妙に同情することもあり、最終日にはハプニングの連続で、大真面目に悪戦苦闘する様子は読む側に笑いを誘う。
 少々辛口の批評ではあるが、中身は別段これといってドラマがあるわけでなし、淡々と目的地へと向かっていくだけのことだが著者にとっては未知との遭遇、感動の体験だったに違いない。
 まあ「よう歩いたなあ。お疲れ様」である。
 それにしても、著者小林さんが天竜川の河口に達したときの達成感は、読者にも伝わってきた。

 

   
Akihahon

 

 


「秋葉街道・天竜川 ひとり歩きの旅]
   著者:小林千展  出版社:ほうずき書籍 2018/6/11発行

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2016.09.10

真田丸

 NHK大河ドラマ「真田丸」が今面白い。
 これからが最大の山場に向かうというから見逃せない。同時に先のあらすじがどうしても気になるところである。
 この番組の演出家三谷幸喜氏によるドラマの描き方にも興味津々だが、ふとしたキッカケから作家司馬遼太郎氏の「城塞」を読み始めたら、この本を片手に番組を見るのが、これからの自分だけのドラマに盛り上がるような気がする。
 あえて他人に本のあらすじを紹介するのもおかしいけど、言わないとどうも落ち着かない。
 まあ、あらすじは買って読んでいただくのが一番なので、ここでは概要のみ。
 要するに独自の司馬史観に基づき、少なくとも関ヶ原以後のストーリーであることは言うまでもない。
 ドラマの楽しみ方は制作側の紹介の仕方でも盛り上がる。ラジオでは時代考証の方の語りがあったけどドラマつくりの裏側を知った。
 三谷幸喜氏がドラマ作りにあたって「1年掛けて、主人公の人生を追体験出来るドラマなんて、「大河ドラマ」しかありません」といっていたが、視聴者はすでに彼が過去に感じた「わくわく」をこの番組では十分に感じているところである。

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2016.05.31

吉川英治名作選「桧山兄弟」

  今年は吉川英治の著作にどっぷりとはまっている。
 元はといえば「親鸞」を読み始めて、鎌倉時代へと遡り、その歴史への好奇心は「新平家物語」にたどり着いたのである。
 さすがにこの物語は大作であったが、記憶に残る歴史の復習ともなり、読後は満足感で満ちていた。
 次に「私本太平記」を手にし第1巻を読み終えたところで自分の分身が「お疲れ様の声」を聞いてしまった。これも巻数を見て長編であることに一服感が出てきてしまったからだった。
 だからといって作家吉川英治の著作から遠ざかりはしなかった。
 そして手にしたのは「檜山兄弟」である。
 内容を知らぬまま読み進むうち、明治維新を目指し歴史の歯車となる主人公の活躍に一喜一憂、まさに痛快時代劇である。物語の中に様々な作者の仕掛けがあり、頁を繰る指に力が入ってしまう。
 幕末維新の実在人物、すなわち高杉晋作や大久保、西郷たちが数多く登場する。だが中心軸は主人公檜山兄弟である。同時に忘れてはいけないのは、イギリス公使パークスを国際勤王派として、フランス公使ロッシュを国際佐幕派として登場させている。これによって当時の国際情勢を視野に入れたグローバルな視点が幕末維新小説として画期的な試みを成している。
 ほかには兄弟が危機一髪のところで海賊船が突然現れ彼らを救う場面は圧巻であった。
  硬い歴史小説を読む合間には少しばかり軽い?この物語は一読に値する。しかも読後の清涼感は梅雨時には最適な一冊でもある。
 映画にでもなったらどんなにか見せ場が多いことか、楽しい娯楽時代物になることだろう。Hiyama_2


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