西尾舞衣子の日本の歌~こどもたちに伝えたい
白昼の虫の音に誘われて天竜川の河畔を歩く。
背後から赤とんぼの群れが追い抜いて行く。
いつもの夏と秋の間の光景である。
その度に幼き頃の原風景が浮かんでくる。
田舎というほどではない。
表通りに面した店屋は安普請のトタン張りの家屋にブリキ看板で目隠しのように覆い、いかにも鉄筋コンクリートや石像づくりのように見せかけた建築物が並んでいた。
祭や十日市の縁日ともなると、参道に露店がならびアセチレンランプのにおいと綿菓子を作る甘いかおりが漂っていた。
思い出す原風景は唱歌を伴って、懐かしさとともに悲しさ、寂しさをも連れてくる。
今回の西尾嬢のソプラノリサイタルは「日本の歌」がテーマ、こどもに伝えるだけでなく聞き手の幼少期の回想、思い出をよび起すかもしれない。
11月23日(水)掛川市美感ホールで開催される。
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