カテゴリー「日記・コラム・つぶやき」の記事

2023.02.10

百舌鳥(鵙)のはや贄

 日毎に春めいてきたようだ。
 畑の一画に空地があり、枯れ草を退けたら膨れ上がったふきのとうを見つけた。
 未だ梅の開花がないので寒さはぶり返すかもと思っていたら、今日は東部方面では雪だという。
 全国的にもニュースでは雪景色を伝えている。
 さて、先日の春めいた日に畑で天地返しをしていたら、思いもかけず百舌鳥1羽が支柱にに留まって尾羽根を振っていた。
 こちらに用でもあるのかといぶかしげに耕作していると、ミミズが出てきた。
 なるほど百舌鳥の狙いはこれか。
 「ポイ」と畔に放ってやると、躊躇いもなく嘴で咥えて近くの枯れ枝の先へとりつく。
 なんか百舌鳥と意気投合したようでもあり気を良くした。
 また餌になりそうなものでも出てくれば、近くにいる限り与えてみようと耕作に精を出した。
 今度は土の塊に冬眠中のカエルがいる。
 これはきっと百舌鳥が喜びそうだ。
 が、カエルも気持ちよく寝ているのに百舌鳥のいけにえにするのはかわいそうだと思い返した。
 いつの間にか支柱に戻った百舌鳥の尾羽根は激しく揺れて、こちらに要求を促しているようだ。
 しかたなく、食うも食わぬも百舌鳥しだいと反対側の畔に放り投げてやった。
 あっという間に咥えるやいなや遠くの枯れ枝先を目指して飛び去っていった。
        人鬼に鵙のはや贄とられけり  一茶

Mozu

 

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2023.01.31

おどる胞子たち

 2021年春から栽培をはじめたシイタケのほだ木に、昨年の年末からシイタケが次々と生えてきた。
 まさかこんな冬に出はじめるのかといぶかしげつつ毎日観察することに。
 子供時代の好奇心に火がついた。
 立てかけておいたほだ木の表面ばかりではなく、裏側にも大小さまざなかさがニョキニョキ現れている。
 この様子に写真家の埴しゃぼん氏の写真集を思い出し、胞子が見えるのはいつか?
 すでに胞子は毎日出ていたことを知る。
 昼間に見えないのなら夜間に見るしかない。照明を当てて逆光で観察すると、白い粉が舞っている。
 そして撮れた写真がこれ。胞子たちが踊っている。
 大きく息を吹きかけると胞子が舞いあがり渦を巻く。
 カメラを据えてこの日一晩中ひとりで悦に入っていたのであった。
Odoruhoushi

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2023.01.13

初めてのお参り

 例年この日ばかりは「一年で最も寒い」と語り継がれてきた1月10日のだるま市。
 今年もコロナ対策万全にして善男善女が福を求めて笠井の観音様に集まってきた。
 名物の金だるまも参拝者の手に渡り、本堂から流れる読経の声と太鼓に包まれて露店を楽しむ人であふれている。
 1日限りのお祭りなので、その日が休日か否かで人出が変わる。
 令和5年はあいにく火曜日の平日とあって、昼間の参拝者は大人が主、その代わり学校の授業が終われば子供たちの世界へと様変わる。
 結局、終日人の出は絶えず、賑やかな縁日ともなったようである。
 本堂に参詣者が減り始めたころ、おぼつかない足取りで母親の手に引かれながら階段を上がってきた幼児。
 何が何でも一人で歩もうとするしぐさに周囲からは暖かい目線が注がれる。
 幼い「だるまさん」が転ばなかった参詣風景の良きひとこまであった。
Hajimetenoomairi01
Hajimetenoomairi
 

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2022.12.04

冬紅葉の浜松城公園

 浜松城公園が来年の大河ドラマの影響で改修され美しく生まれ変わろうとしている。
 12月に入って穏やかな冬入りかと感じながら散策を楽しんでいると、あまりに人出が多いのだ。
 来年はこの地にドラマ館もオープンするので、文句なくこれ以上の賑わいになることは間違いなし。
 かつてここには動物園があって何度も親たちと遊びに来たことを思い出す。
 帰路は浜松駅付近へ向かい松菱デパートでおもちゃを買って、ご機嫌でバスで自宅まで戻った。
 今となっては懐かしい記憶の一コマである。
 公園の木々は冬紅葉とまで枯れ落ちていず、散歩中の家族やら観光客が多くそぞろ歩いている。
 中には結婚式の前撮り写真撮影をしている一行もあり、良いシーンが撮れる場所として選ばれたことに自慢したいくらいだ。
 幼少時代に遊び場だった場所が、今では大人っぽい公園として管理されていることに戸惑いすら感じている。
 自分の生きざまや市政の長い時間の経過を振り返ったような週末であった。
 Fuyumomiji
 

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2022.12.01

鯉が飛んだ

 最近は天候の急変が忙しい。
 予報はかなり正確な時間を伝えてくれるが、雲の動きの早いことこの上ない。
 地域によって雨模様が左右されるようだ。
 この日、久しぶりに紅葉を満喫しようと市内の四ツ池公園へと足を向けた。
 近づくにつれ紅葉の進み具合がよくわかる。
 黒い雲がまもなく来るだろうとの不安があったものの、傘は持たずに歩き始めた。
 天候のせいか散歩中の人影は少なく、池で魚釣りをする老人たちがときどき見かける程度。
 秋が深まったこの日さすがに平日は静かである。
 鴨が三羽泳いでいたところでアングルを決め撮ろうとした瞬間、鯉が飛んだ。
 シャッターチャンスはものにできただろうか。
 予想もしなかった出会いは暗雲立ち込める天候がもたらしたようである。
 鯉は2度飛び跳ねて飛沫を上げた。
 そのたび周囲に大きな水音が響き、同時に連続シャッターの音が耳にせわしかった。
 やがて池は何事もなかったような静寂に戻っていた。
     鯉飛んで後に音なし秋の水
 誰の句だったか思い出せないが、目の当たりで起きたシーンそのものであった。

Coihaneru

 

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2022.10.24

旧鈴木家屋敷がカフェに

 前回「万斛」の由来で阿茶の局と家康のことを紹介したところ、今朝の新聞に「家康カフェで一服を」との見出しが躍っていた。
 まさか旧鈴木権右衛門の屋敷のことではあるまいかと読み進むうち、現在保存されている屋敷は古民家として再生される模様である。
 今年の11月以降にオープン予定で来年の大河ドラマの放送を見据えての事業らしい。
 (カフェ予想図:10/24付け中日新聞朝刊より)
Suzukike
 

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2022.10.23

万斛の高見橋夕景

 しばらく雨の日が続いた夕方、西の空を振り返り今日は「夕陽」がきれいに出そうだと直感がした。
 急ぎ自転車を漕ぎ我が家から西方へ向かう。
 青空だったと見えた空に綿のような白い雲が流れてくる。
 日差しがまばゆくなって周りの景色に眼を移す。
 田園の中の道を日の沈む方向へ進めば安間川に架かる高見橋だ。
 この辺は昔から万斛(まんごく)と呼ばれる地域である。
 夏には近くの神社の祭りで沢山の花火が上がり周辺の町では有名だ。
 そればかりか、この地名には少し昔話がある。
 家康は大変縁起をかついでいたようで、永禄11年(1568)12月三河の国から浜松城に入城した際、縁起の良い村名を探させたところ万斛村を知る。
「まんごくから万石を連想した家康は、大変気に入り愛妾阿茶の局をこの村の庄屋鈴木権右衛門の家にお預けなさったと言う」(わが町文化誌:積志の流れ今むかし)
 昔話か伝説はともかく、さてこの日の夕焼けはいかがだったろう。
 予想どおり風はなく適当な雲が流れて、秋の黄昏時を演出してくれている。
 そのせいかこの橋を渡る散歩者が多く、日没までのわずかな時間を彼らとともに共有できた。
 素敵なくつろぎの時となったが、別段訳はないのにやはり夕景は寂しくなるものだ。
 ・・・・ からすが鳴くから帰ろうと。
 Takamihashi

 

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2022.10.21

旅する蝶との出会い!浜松フラワーパークのアサギマダラ

 今月11日から咲き始めた園内のフジバカマは今が満開です。
 となると旅する蝶々の登場はいつか?
 もちろん今です。早速、フラワーパークへと足を運びました。
 さて蝶はいずこか?パークの公式Webには3か所のありかを紹介しています。
 蝶は繰り返し花の蜜を吸いに近寄ってきます。
 本日は幸い撮影者も少なく、心ゆくまでアサギマダラの舞を楽しむことができました。
Asagimadara01 Asagimadara02

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2022.09.27

百日紅とは

 毎日畑へ向かう道なのに、この花だけは気に留めず未だその名を知らなかった。
 いつだったか、我が家の裏道に散歩がてらに通りがかったご夫婦が帰宅したばかりの私に「この花は何ですか?」と訊ねてきた。
 一瞬、花ガラが落ちて実だけになった垣根のバラを挿して聞いてきたのかと思い「バラです」と応えた。
 後でこの時のことを思いだし、あの時は庭に咲いていたピンクの花を指して聞いてきたのだと気づいた。
 その花は今でも一部が残っていて、名は百日紅であった。
 誰がどこで手に入れて植えたのかは定かではない。花名は別に知らなかったのではないがサルスベリに似ているとは思っていた。
 畑に向かう途中の花と同じ品種のようだ。
 それが「サルスベリ」だとするなら違うと思っていた。
 なぜなら同様の木はまるでサルが滑って落ちてきそうなほどの皮をむき出しにした木肌の大きな木を知っているから。
 子供の時から見慣れている百日紅はこれだと思うのだ。
 花の名を問われたときはそう応えればよかったのだが、不思議と後を引いている。
 満更、植物には詳しいはずなのだが、この時ばかりは「猿も木から落ちるか」であった。
(道すがらのサルスベリ)
Sarusuberi

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2022.09.05

夏の終わりに

 先日来の大雨が過ぎて、久し振りの快晴となる。
 でも、台風はこれからが本番で青空には不穏な雲が四方から流れてくる。もしくは湧き上がっている。
 浜名湖畔に位置する浜名湖ガーデンパークに潮風の涼しさを求めて、日影を選びながらの散歩は決して楽ではない。
 やっとのことで腰を下ろせる場所に達すると、あらためて周囲を見渡し撮影ポイントを探してみる。
 すでに夏の終わりを告げたようなパーク園内は花たちも次のシーズンを見据えているようだ。
 海岸に面した木陰には秋に咲く花たちが人目を誘う。彼岸花も1本だけすっくと立ちあがっているのがあれば秋海棠が池畔に咲く。
 いたるところで蝉たちの亡骸が落ちているし、蝶の姿も翳りを見せている。
 取り立てて夏の終わりを告げる花々は見当たらないにしても、着実に季節は変わりつつあるようだ。
Murakushi02 Murakushi03 Murakushi04Murakushi05 Murakushi06

 

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