昭和初期の頃、親たちは泣く子を宥めるのによくこう云った。「泣くのをやめたら町へ遊びに行くよ」 この一言で機嫌を直し笠井のバス停から浜松へと向かう。 浜松動物園で遊んだあとは松菱百貨店で買い物。 付随した食堂でカレーを食べるのが楽しみだった。 今となっては跡地だけが残っているだけで、当時の街の面影は駅前「だるまや」ビルぐらいのものである。