思い立って久しぶりに秋葉山への道を歩き始めた。 この山は赤石山脈の南端に位置して秋葉神社の境内となっており、海抜900mに達する。この日は台風が近づいているとの空模様であったが、やはり生憎のどしゃ降りの雨に祟られた。 しかし、この天候こそ秋葉山への道にふさわしく水墨画のごとき風景が眼前に広がった。 山は、天竜川とその支流気田川との合流点に屹立し、古代の杉、桧がうっそうと茂り、山頂の上社は火防の神として毎年12月15、16日には天下に名高い火まつりが行われ全国から信者、参拝者が訪れる。